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次、どこ行きたい?
椿
「何でもいいよ!」

優しい返事。……のはずなんだけど。

お店を探すのも、営業時間を調べるのも、予約するのも、気づけば私。

嫌な人じゃない。むしろ、こちらの希望には合わせてくれる。

でも、次の予定を決めようと思うと、ちょっと気が重い。

これって、私が求めすぎ?

合わせてくれることと、一緒に考えてくれること。

「私の好きなところでいいって言ってくれるんです。でも、毎回で」

うん。それ、好きにしていいと言われているようで、全部任されている感じがするんだよね。

お店選びって、店名をひとつ出したら終わりじゃない。

相手の好みも、予算も、待ち合わせからの距離も考える。予約が取れなかったら、また探す。

「何でもいいよ」のあとには、案外たくさんの仕事が残ってる。

だから、疲れた自分を「わがままかな」と責めなくていいよ。

ただ、相手はそれに気づいていないだけかもしれない。

「希望を通したら悪いかな」
「好きなところに行ってもらいたいな」

そんなつもりで、譲っている人もいる。

頭の中までは見えないから、まずは一度、気持ちを伝えてみよう。

「察して」より、自分の気持ちを少し。

次、どこ行こうか。たまには、おすすめのお店にも行ってみたいな。

このくらいからでもいい。

「もう少し主体性を持ってほしい」と評価するより、一緒に行き先を考えたい気持ちを伝える感じ。

それで、

「じゃあ、気になってたお店があるんだけど、どう?」

と話が進むなら、いいじゃない。

最初から息ぴったりじゃなくても、ふたりのやり方をつくっていけそう。

一方で、気持ちを伝えても毎回そのまま。
こちらが動かないと、予定自体がなくなる。

それなら、「お店選びが苦手なだけ」で片づけず、自分がこの先どう感じるかも考えてみたい。

お店のセンスを、採点したいわけじゃない。

ここで見たいのは、おしゃれなお店を知っているかどうかじゃない。

提案されたお店が、少し好みと違うこともあると思う。

好みと少し違っても、まずは考えてくれたことを受け取る。行きづらい理由があるなら、それを伝えて、一緒に選び直せばいい。

毎回すごいデートを用意してほしいわけじゃないんだよね。

私だけが、この時間をつくっている感じが寂しい。

そこが伝わると、話が変わることがある。

お店を決めるくらい、と思わなくていいよ。

これから一緒に何かを決める場面は、たくさんある。
小さな予定の立て方にも、ふたりの関係は少しずつ出てくるから。

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